『イッポンイチョウ図/一本公孫樹図』
『イッポンイチョウ図/一本公孫樹図』は、古今東西さまざまな場所に存在する“一本イチョウ”がテーマになっています。東和町の萬鉄五郎美術館下にも大きなイチョウの木が生えていて、秋になると色づき、とても印象的です。
イチョウという木は、もともと日本には存在しない外来種であり、人の手によって運ばれ、植栽されてきました。一本だけ生えたイチョウの木を見ると特に、その木を植えた人々、育て守ってきた人々の存在感を強く感じます。
世の中には、たとえば一本松、一本柳といった「一本○○」と名のついた木や、バス停や地名、石碑などにその名残がたくさん残っています。
一本の植物を目印や依り代にしてきた人々の愛らしさ、植物から石碑になっても存在を残し続け、道標となりえるイッポンイチョウらの不思議さ、人間のものとは異なるその時間軸の円環のイメージを権太屋倉庫に作品を展示することで表現しました。